現在の川野上家住宅の土地は、かつて北前船主の米木家の土地でしたが、昭和5(1930)年、僧侶がこの家を建てたと伝わります。土蔵は明治以前に建てられたものです。戦後まもなく、川野上次夫が購入し、住居としました。
川野上家は、代々、北前船の船頭を務めていました。少なくとも文化9(1812)年には船頭として活躍し、橋立の北前船主・西出孫左衛門の船に乗り、荷物の売買などを執り行っていました。川野上孫次郎(1871-1945)は、西出家の船頭をつとめた後、同家が経営する西出商事株式会社の役員となり、漁業部監督の任に就いています。
主屋の間取りは、前に玄関土間と台所が並び、上手にクチノマ(8畳)、ブツマ(6畳)と、下手にオエ(8畳)、カギノマ(6畳)の4室があります。建材は、ブツマ(床柱は奇木、床框は黒柿、床板はベニヤ)、カギノマ(床柱は奇木、床框はトチ)が用いられています。表の方には居間や家族の寝室が大きく増築されています。令和6(2024)年、リノベーションされ、古民家コンドミニアム「MAGONDO」の宿泊施設「MAGO3」として活用されています。
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■住所
〒922-0554
石川県加賀市橋立町ラ78番地
■連絡先
TEL:0761-71-2810
E-mail:info@magondo.com