久保彦助家は、全国有数の北前船主集落・橋立で最も有力な船主家の一つ、久保彦兵衛家の最初の分家です。初代彦助は、天保6(1836)年、久保本家の六兵衛の二男として生まれ、宝暦年間(1751-1764)頃に分家したと考えられています。同家は、明治10年代には7隻の所有船で北前船経営を行い、函館を拠点に小樽にも進出し、多角的な事業を展開しました。
邸宅は、明治5(1872)年10月7日に発生した橋立大火で一部を残し焼失しましたが、明治11年に現在の主屋が新築されました。外側には船板が使用されています。明治40年に2階の座敷が造作された後は、ほぼ増改築されておらず、建築当初の趣が今も残る貴重な北前船主邸です。当時、屋敷の後ろとジゲ浜・海岸の間には浜小屋が何棟もあったと伝わりますが、現在は残っていません。 令和6(2024)年6月から、加賀橋立北前船ツーリズム実行委員会の運営により公開されています。
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■住所
〒922-0554
石川県加賀市橋立町ム153番地
■連絡先
090-9441-4809
(加賀橋立北前船ツーリズム実行委員会事務局)
■開館情報
見学は事前申し込みが必要(上記連絡先まで)