大正9(1920)年、代々、北前船を家業とした梶谷与三郎の住宅として建てられました。後に親戚にあたる木村家の住宅となりました。木村家は橋立を代表する北前船主・増田又右衛門家の一族です。建物の表構えなどはほぼ建築当初のままで、大正期の橋立の住宅の面影をいまに伝えています。この建物には、橋立の北前船主邸の特徴である大広間、オエに特徴的なヒラモンはなく、長押が回され、天井もある普通の部屋の造りとなっており、大正期になるとオエの部屋の意味が曖昧になってくることが伺えます。
敷地は2つに分けられ、左側のこの建物は、平成23(2011)年から木村家の8代目とし生まれた哲学者・木村素衛(1895-1946)と、その弟・有香(1900-1996)兄弟を紹介する「木村素衛・有香ふるさと館・かふぇ りゅうじょ」として活用され、正面右隣は木村家の住宅となっています。「りゅうじょ」(柳絮)とは、白い綿毛がついた柳の種子のことで、木村有香が柳の研究の世界的な権威であったことに由来します。
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■解説パネル
■住所
〒922-0554
石川県加賀市橋立町ラ86-2
■連絡先
0761-72-6819
■開館情報
不定休